こんばんは。
ちょっと前の話になりますが、現役で活動しているピアニストで一番好きなJosh Nelsonのライブに行ってきました。
場所はロサンゼルス空港の近くにある、Sam First。
このライブは、「Sam First Piano Fest」という、一週間程に渡って日替わりでピアニストがライブを行う企画にJoshも参加していたというものでした。
で、ライブは期間中の真ん中あたりで、ど平日。
行きたいけど、仕事終わってからライブに行くのは時間的に厳しく、ギリギリまで行けるかどうか分からないんです。
しかし、ピアニスト週間のライブで、しかもトリオらしい。
Joshのライブは何度も行ってますが、トリオというのは今まで無かったので、できれば行きたい。
むむーー、どうかなぁ、無理かなぁ と思いながら仕事を頑張っていたのですが、夕方前くらいになると算段が付いてきて『これは2nd set(21時スタート)なら間に合うかも?』と可能性が出てきました。
そのままダッシュで仕事をしたらギリギリ行けそう となったので、急いでチケットを取って(1st setはSold Outでした)、仕事を終えて会場に向かいました。
会場に着いたのは1stの観客はライブハウスから既に退出した後で、2ndセットの開場直前でした。
5分もしないうちにスタッフがドアを開けて中に入れてくれました。
何度来てもこのライブハウスに入ったこの感じがとても好きです。
お!
楽譜が置いてある。
どれどれ。。。
ぉお!
「Spirit」の楽譜だ!!
(当ブログにも何度か登場していますが、私の大好きな曲です。)
今日のリストに入ってるのかな。
これは楽しみだ!
奥を見るとJoshがBassのLuca Alemannoと打ち合わせをしているのが見えました。
邪魔するのは悪いので、席につこうと歩いていったら、ちらっとこっちを振り向いたJoshと目が合いました。
すると瞬間!
「オレンジーーーー!!!来てくれたんだ!!!!」
とまさかの反応。
久しぶりに会うので覚えてるかなぁと思っていたのですが、これは嬉しい♪
私も「Hi!!」と挨拶。
「平日なのに来られたんだね。これは嬉しいサプライズだ♪」
いやいや、こんな嬉しいこと言う?
ほんといい人。
少し会話をして、最後に「今日は ”Spirit” 演るのですか?ピアノに楽譜が置いてあったのだけど」と聞いたなら。
「おー、”Spirit”は1stセットで演ったんだよ」
「あらーそっかー、残念。大好きな曲なんですよ。またの機会を楽しみにしておきます」
そして席についてライブがスタートです。
Joshのピアノ・トリオは初めて。
予想はしていたのだけど、、、良い。
もともと私はバンドは構成が少ない方が好きなのです。
BigBandやClassicオーケストラの迫力も勿論好きですけど、小さいハコで楽器が少ない方が各パートをじっくり楽しめます。
(この日は携帯電話で撮った写真なので、クオリティが低いです、すみません)
自身がリーダーのトリオなので、ピアノが良く響く。
ゲストミュージシャンが多いと、Joshは抑え気味に弾いているような感じがしますが、このライブではガンガン音が前に出てきて聴いてる方も身体が動く!
ドラムのMark Ferber。
私はJoshのライブではドラムはDan Schnelleが相性も良く、とにかくカッコいいので、いつもDanが良いなと思っていたのですが、この日のドラムのMark Ferberもすごく良かった。
Danの様に派手というか、華やかな感じとは違い、シブいドラム。
と思うと、鋭い炸裂ドラムも入れてくるし、トリオの土台をガッシリ固めてました。
かなり良かったです。
以前にも見たことがあるような気もするのですが、そうだとしたら、その時と印象がだいぶ変わった。(私の問題です)
またこの人のドラムでもライブを観たい。
ベースのLuca Alemannoと。
最近、JoshはいつもベースはLucaの様です。
相性がいいのかな。
彼の印象は、ほんとに真面目で穏やか。
このメンバーはとても良い感じ。
やっぱトリオは良いな。
にしても、なにが良いって、やっぱりピアノ。
表現する言葉が全く出てこないのだけど、、、ほんとにJoshのピアノは沁みる。
この日はピアノフェスという事で、最初のトークでJoshが、今日は自分の曲は勿論演奏するけど、二人のピアニストを取り上げて、彼らの曲も何曲か演奏します と話してました。
一人はMulgrew Miller。
そしてもう一人取り上げたのが、Michel Petruccianiでした。
恥ずかしながら、私はMichel Petruccianiというピアニストはこの時に初めて知りました。
曲を演奏する前に、JoshがMichel Petruccianiについて、色々と説明をしてくれたのですが、フランス出身のとても著名なピアニストとの事。
Michel Petruccianiは骨形成不全症という障害があり、身長も100cm程だったそうで、1999年に36歳で亡くなっています。
Joshの彼に対する話を聞くと、とても影響を受けていた様に感じました。
そして、Michel Petruccianiの曲はどれもとても美しく、Joshのキャラクターにもぴったり。
特にサハラという曲は、美しすぎた。
曲も、ピアノも。
今思い出しても涙腺が緩む。
Michel Petruccianiが弾くオリジナルはまだ聴いたことがないので、その曲が収録されているレコードを探しているのですが、まだ購入出来ていないのです。
どんな感じなのだろう。
聴いてみたい。
Michel plays Petruccianiというアルバムに収録されているはずです。
もし興味のある方は検索してみてください。
どの演奏も素晴らしく、音楽の話も沢山聞くことが出来た最高のライブもそろそろ最後かな と思ったら、、、
聴きなれたイントロが流れてきました。
え?え?
Spirit?!!!
なんと、最後の曲は私が聴き逃した~と思っていたSpiritでした。
勿論トリオVer.は初めて。
火星の風景を思わせる様な静かで穏やかな曲調から、ソロパートにラストの盛り上がり。
レコーディングVer.とは全然違う、とても情熱的なアレンジで、ベース、ドラム共に熱量がすごい。
震えるほど感動しました。
ライブが終わって興奮冷めぬ状態で、帰る前にJoshに挨拶に行きます。
「今日のライブはやばかった~、来て本当に良かった!!特にあのフランス人のピアニストの曲がJoshにぴったりで涙出たわ~」
Michel Petruccianiの名前、ややこしい発音なのでMCの時はちゃんと聞き取れず覚えられなかったのです。
なので、この時にもう一度Joshに教えてもらい、覚えてきました。
で。
「最後、Spirit演奏したね!トリオは初めてだったけど、最高に良かった!!」
と言ったら。
「ほんと?良かった。あれオレンジの為に演奏したんだよ」
ですって。
はぁ、Josh、優しい。
彼のピアノはその人柄がモロに出ていて、人を癒す力がすごいと思います。
多くの人に聴いてほしい、できればライブで。
昨年の12月に来日ライブをしていたんです。
確か、東京、京都、大阪、神戸で。
これからも日本には行くと言っていたので、いつか機会があったらライブを聴きに行ってみてください。
素晴らしい時間が待ってますよ。