こんばんは。
我が家のオーディオに新しく仲間が増えたのです。
縁があって、C36という型のJBLのビンテージモデルを迎え入れることが出来ました。
このスピーカーは、いつもお世話になっているレコードショップのBoogie Maru sounds に、たぶん開店当初から、繋がれることもなく布を被せて重ねられていました。
このショップは、ビンテージオーディオ機器も幾つか扱っていて、それまでにもJBLのビンテージスピーカーがいくつも入ってきては売れていくのを見ていました。
もちろん、売約済になるまでは店頭でデモ機として使われるので、結構色々なスピーカーの音を聴く機会に恵まれました。
ビンテージスピーカーは、もしかしたら洗練度や、音の解像度などは、現代のものと比べると劣るのかもしれませんが、ビンテージが出す音は 他と比べる事に意味がない と思わせてくれる程の圧倒的な存在感があります。
自宅のスピーカーでは物足りなくなる ということはありませんでしたが、もともと旧いもの好きなので、いいなぁ とは思ってました。
が!
JBLはUSA.のメーカーです。
アメ車を見ると想像できるのですが、昔のアメリカって、置く場所を心配する という概念が元々ないんじゃないか? と思うくらい、力いっぱいデッカイ物が多いです。
JBLのビンテージスピーカーも、でかい。
とにかく、でかい。
なので、自分が所有する ということは余り考えていなかったのです。
そんなこんなでブギ丸に出入りするようになって暫く立った時、マスターが
「オレンジさんも、そろそろJBL行ったほうがいいんじゃないですか?」と悪の囁きを投げてきました。
そこで、大きさ問題の事を話したら。
「じゃ、これはどうですか?」と見せてくれたのが、C36でした。
多分、JBLビンテージの中では一番小さいというC36。(ほんとかどうかは知りません)
見た目もとても素敵。
それでもすぐに決めることは出来なかったのですが、なんだかんだあって最終的に我が家にお迎えすることになりました。
このC36にはD123という12インチのウーファーが収められていました。
普通なら15インチ(約38cm)のウーファーが使われていると思いますが、過去のオーナーがウーファーだけ売り払って、その後に小さいものを取り付けたのか。
迎え入れるにあたり、このウーファーをどうするか というのを、連日ショップに通い、色々試してみて、結局15インチのウーファー(2220A)一発のフルレンジで始めて見ることにしました。
スピーカーには、搭載されているドライバー(スピーカー)の数によって、2way、とか3wayなどがあります。
これは、ある一定の周波数ごとに音を出すドライバーの種類を変えて、低音から高音まで広域でむらの無い音を再生するための工夫です。
例えば、低音には低音用のウーファー、高音には高音用のツイーターと2種類のドライバーを使ったのが、2wayスピーカーです。
私が使っているスピーカーはJBLの4way(低音、中音、高音、超高音)です。
今回は先ず低音から高音までをウーファー一発で全部鳴らす、フルレンジとして使ってみる事にして、そこから徐々に手を入れて音の変化を時間をかけてゆっくりと楽しんでいこうと思います。
なので、背中にはクロスオーバーは無く、ケーブルを繋ぐ端子が2つあるだけです。
このC36は、コンディションはそんなに良いものでは無いと思います。
表面も塗り直されていて、しかもそれ程丁寧な仕事が成されているとも見えず。
もしかしたら、ちゃんと旧いコートを剥がさないで、上からコートし直しただけかもしれません。
いつか自分で一層削って仕上げたい気もしますが、今はまだそんな勇気はありません。
まぁ、良くあることだと思うのですが、ショップではそんなに大きく思わなかったスピーカーですが、自宅に持って来たら思った以上に存在感があります。
わかりやすく言えば、でかいです。
ですから最初の写真のように、一人でもコロコロと場所を移動できるようにキャスター付きの台にテンポラリーで置いていますけど、、、
本当は、この人たちには脚があるんです!
脚つけてみた。
どうですか?
可愛くないですか???
ミッドセンチュリーっぽいですよね。
この脚も、純正ではアルミの削り出しだったと思うのですが、多分折れちゃったんでしょうね。*1
おそらく職人が旋盤で削り出したような、繊細なパーツですから。
でも、この木製の脚、しかもちょっと短めなのも可愛いです、とても。
程度がそんなに良くないウチのC36ですが、ちょっと良い事もあります。
エンクロージャー(スピーカーボックス)はプライウッド(合板)で組まれています。
日本では米松仕様と言われているそうで、後期になるとウッドチップを固めた板になるようです。(めんくい(id:menkui375)さんに教えていただきました)
そしてもう一つ。
これはウチに来てから分かったのですが、シリアルナンバーが連番っぽいです。
C36は1956年のJBLのカタログに載っているのは確認出来たのですが、この個体が何年頃に作られたのかは分からないです。
50年代後期のレコードにはステレオ盤もあるのですが、まだモノラルで聴かれることのほうが多かったのでは と思うので、2つセットで買われる事は少なかったはず。
そう考えると、連番と言うのはかなり珍しいのでは無いでしょうか。
プレートを打ち直しているという可能性もありますけど。
なんせ、既に約60年も生きてるんですから。
さて、縁あって付き合いが始まったC36 Viscount。
ちょっとずつ手を入れながら、長く楽しんで行きたいと思います。
*1:木製の角張った脚がついている写真もあったりするので、正確なところはわからないです。