こんばんは。
とても楽しみにしていた映画、「Joker」を観てきました。
(注)微妙にネタバレしています。この記事を読んだ方からご意見として頂きました。
いつも読んで下さっている方は何となく気付いてらっしゃるかもしれません。
基本的に私は自分が感動した事、良かったと思う事、楽しい事に勧めたい事 しかここには書いていません。
理由の一つは自分が好きな人や物、業界を少しでも盛り上げたいと思っているから。
もう一つは、自分にとって良いと思えなかった事でも、他の人は感動する可能性もあるので、自分の文章にそれだけの力があるかどうかは別として、その人がそれに触れる可能性を摘むリスクは少ないに越したことが無いと思っているから。
だから、もし映画を観てもそこまで良いと思えなかった時は表現することは殆どありません。
で、「Joker」です。
今書いているという事は、良かった と言う事なのですが、、、
かなり微妙なのです。
いや、良かったのは良かったのです、本当に。
ただ、両手を挙げて大絶賛、1人でも多くの人が映画館に行けばいいな といういつものテンションでは無いのです。
なんというか、、、後味が悪い というと、またちょっと違うかなぁ、、、
心の奥の方に ざらっ としたものが残るというか、、、
あーーー、語彙が足りないこの自分の日本語能力を呪う
まぁ、それはいいとして。
「Joker」、世界的に話題になってるみたいですね。
なにやらアメリカでは、劇場で銃の乱射事件が起こるリスクがかなり高いとみられている様で、仮装禁止とか、色々と警戒しているみたいですね。
考えてみたら映画館てセキュリティチェックしないですもんね。
それだけ話題になっているくらいですから、大体どんな映画なのかはご存知の方も多いと思います。
Jokerはバットマンに出て来る主要悪役キャラクターなので、この映画もバットマンシリーズのうちの一作 と言う事になります。
アメコミ物はあまり見ないし、バットマンも良く知らないからなぁ と思っている人もいるかもしれませんが、今作はバットマンシリーズと切り離して見ても全く問題なく、これ1本で完結として楽しめるようになっています。
時系列的には映画のバットマンシリーズの前日譚になる、アメリカのTVドラマ「ゴッサム」よりもさらに前の話になるので、バットマンのバの字も出てきません。*1
ですから、そういうしがらみを心配している方は、その点は気兼ねなく映画館に行ってくださって大丈夫だと思います。
もちろん、バットマンシリーズが好きな人にとって、とても重要なイベントも織り込まれていたり、そちらの流れで観る人も楽しめる内容です。
Jokerを演じた主演のJoaquin Phoenix(ホアキン・フェニックス)、見事としか言いようが無かったです。
映画の後、彼の通常時の写真を見てみましたが、別人の様でした。
役作りの為に、とんでもない減量をしたようですね。
演技も演技とは思えない、元々ああいう人なんじゃないか と思う程。
その演技を見るだけでも映画館に行ってもいいと思うくらい。
それだけに、なんでそっちいくかなぁ、、、という何とも切ない気持ちになります。
Jokerは悪のカリスマという立場のキャラクターですが、今作はそのJokerに肩入れをしたくなるように状況が作られている様に感じました。(まぁ、作っているのでしょう)
ウェイン家の執事のアルフレッドはあんな武骨で無礼な態度をいきなりとったりしない!!(←ゴッサムの中でアルフレッドはかなり好きなキャラなので、とても個人的な感想です)
確かに、映画を観ているとJokerに肩入れしたくなる気持ちも分からんでもないですが、それでもやっぱり、Jokerが射殺をするシーンで手をたたいて「Yes!!!」という気持ちにはならなかったです、私は。(実際にそういう反応がありました)
映画を観たあとでネットで「Joker」と検索して、上がってきた日本語サイトの表題をざっと見た所、なんだかやたらと狂気という文字を見た気がします。
しかし私は映画を見てる時に 狂気 というものはほとんど感じていなかったです。
狂気と言う意味では、2008年のC.ノーラン監督の映画「The Dark Knight」でJoker役を演じたヒース・レジャーの方が遥かに狂気を演じきっていたと思います。*2
舞台になっているゴッサム・シティは、治安が無茶苦茶悪かった頃のNYやLAを、さらに治安を悪くしたような街。
貧富の差も激しく、貧困層と富裕層の壁もガッチガチ。
そら理不尽な事も起こるでしょうし、危険な目にも合うでしょう。
程度の差はあれど現実社会でも同じだと思いますし
そもそも世の中は理不尽なものだと思います。
結局皆理不尽な状況下に置かれ、その中でどうにかこうにか折り合いをつけて生活してるのでしょうが、どうしてもどこかで歯車のかみ合わせが狂う事も起きたりします。
その狂いが少ない時に補正し、何とか元通り回る様になって、また少し狂い、の繰り返し。
誰にでも起こる事です。
でも、もしもその狂いが 自分では修復できないほど大きくなってしまったら、と思うととても怖いです。
実は自分の足元には地面が無かったら、、、
映画を見て一番感じたのは、その 怖い という事と、やっぱり なんでこうなっちゃうかなぁ という残念で、切ないなぁ という事でしょうか、、、
ね?
やっぱりこの映画を絶賛してる内容にはなってないですよね?
だけど、見終わった後はドッと疲れるくらい、始まると同時にずっと心は引き寄せられっぱなしでした。
無駄なシーンや間も一切なし、完成度がものすごく高い映画だと思います。
ただ、どうしようもなく ざらっ とした何かが残りました。
それくらい、持って行かれる映画だという事でしょう。
どうせ見るのなら楽しい映画やスカッとする映画が見たい! と言う人にはお勧めできないかもしれませんが、ざらっ とした感じも含めて映画が好きと言う人なら、観ておいた方が良い映画かもしれません。
英語力が足りなくて、奥まで理解できていないことも多々あるので、出来れば日本語字幕付きでもう一度見たいなぁ とも思いますが、、、私にはちょっと重い。
後味がスッキリしない内容になってしまいましたが、悶々と考える事が涌いてくる映画でした。
私は闇を覗いてみたくなるくせに、闇から目をそらして生きて行こうとする人間なので、こんな感想しか出てきません。
他の方がどんな感想を持ったのか、とても知りたいです。
なので、観に行ってレビュー記事をドンドン上げて頂きたいものです。