模型じかけのオレンジ

模型制作記を中心に、趣味の工作関連、車、オートバイ、その他色々についてロサンゼルスの生活事情と合わせて綴っています。

50年以上も前に製造された真空管アンプの音にびびる ~1960' Ampex Tube Amp.

 こんばんは。

 

 数ヶ月前に開店したレコードショップ、Boogie Maru Sounds。

mata1.hatenablog.com

 

 それ以来、ほぼ毎週遊びに行って、ひたすら音楽の話を楽しんでいます。

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 曜日も時間もほぼ決まっているので、マスターも待ち構えていてくださいます(笑。

 よくもまぁ毎週毎週飽きずに音楽の話をし続けられるなぁ、と気がついたのは、自分は音楽が好きなのは知っていたけど、自分で思っているよりも音楽が好きだったみたい ということです。

 なかなか何時間も夢中で音楽のことだけを話せる人は周りには余り居ないので、ほんと楽しい♪

 

 さて、レコードショップだけに、いつも店内では音楽が流れています。

 スピーカーはJBLのビンテージが何種類か並んでいて、いい音が出ているのです。

 その音の事を話ていたら、マスターが「ここの音はスピーカーが良いのもありますけど、アンプの個性が一番重要かも」と言うような事を話していました。

 ショップで使っているのはAmpexというメーカーの真空管アンプで、1960年代製造という、これまたビンテージ物です。

 正直、そんな昔の電化製品がまだ動いているだけでも凄いのに、それが良い音を出す というのがにわかには信じられません。

 そこで、スピーカーとターンテーブルはそのままで、Ampexと近代のトランジスタアンプ(ソリッドステイト(SS)?真空管を使ってない今風のやつです)と聴き比べさせてもらえますか? と聞いてみたら、すぐに試聴させてもらえました。(オーディオ好きなマスターなので、こういう事は大好物なのです)

 AmpexからSSに切り替えると、なんということでしょう!今まで生々しいまでの臨場感を出していたスピーカーから出てくるのは、厚みのないペコペコした軽い音でした。*1

 マスター曰く、SSのアンプも結構良いものを繋いでるんですけどね、このAmpexは強烈なんですよ ということです。

 今まで散々いろんなチューブアンプを試してきて、彼の中ではこれが最後に残った というほど惚れ込んだ音だそうです。

 確かに、いつもここに来ると、特に管の音がほんとに良く鳴ってるなぁ と思っていたのですが、アンプを切り替えると全くその生々しさが感じられません。

 チューブアンプってこんなに違うの?しかもこんな旧いのに?とほんとに驚きました。

 と同時に このアンプで聴いたらウチのスピーカーはどんな音を出すのかなぁ という危ない事を考えてしまいました。

 

 そんなことがあった翌週、いつもの様に(笑)Boogie Maruに遊びに行くと、待ち構えていたマスターが

 「これ、持って帰って繋いでみてくださいよ」とAmpexのアンプを手渡してくれました。

 え?お借りしていいんですか? 

 「ええ、その為に外して用意しておいたんだから、自分のスピーカーがどんな音になるか気になるでしょう?」

 (なんていいひと)

 いつもの様に暫く話をしてから、お言葉に甘えてアンプを貸して頂きました。

 

 さて、お借りしたAmpex。

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 なんか、なんの洒落っ気もない、ただの機械にボリューム等のつまみがついているだけ。

 どう見てもこれからいい音がスピーカーに送られるとは思えないですよね。

 プリアンプからAmpexに繋いで、そこからスピーカーに繋いで、、、と。

 最初はこのアンプと同じ年代の音が良いかと思い、60年代のモノラルレコードで試してみることにしました。

 いざ。

 ぉ?

 ぉお?

 こ、これは、深いなぁ。

 音に厚みがまして、どしっとした感じになり、場の奥行きも広がりました。

 ドラムがばったんばったんしていた感じも更にドッタンバッタンくらいに迫力が増してます。

 うむ、かなり控えめに言って、全然違います。

 それからいろんなレコードを試しにかけてみたのですが、ものによっては違いがあるのははっきりわかるけど、どちらの音も これはこれでいいよね と思えるものもあったりしました。(80年代のロックとか)

 やはり、弦楽器や管楽器等、アコースティックな音のほうが良さが際立つようでした。

 以前良く遊びに行っていたレコードショップのEarvingに聞いたことがあります。

 チューブアンプの音って、どう違うの?(だいぶポンコツな質問ですが)

 すると彼は一言

 「Warm」と言ってました。

 確かに、ほんとにその通り。

 音が温かいのです、それが一番感じたことです。

 そして、最後にかけたレコードはボーカルものだったのですが、これが一番はっきりと差が出ました。

 ボーカルものは圧倒的にチューブのほうが良かったです。

 まるでそこで歌っているかのような臨場感。

 もとのアンプに戻したら、今までこれを聴いていたの? というくらいペコペコの厚みのない音が出てきました。

 まぁ、すぐに慣れましたけど。(環境適応能力はかなり高い方だと思う、良くも悪くも)

 

 それにしても、Ampexで聴いたボーカルの声、あれは結構頭に刻まれてしまいました。

 音楽は好きですがオーディオに凝るつもりは無かったので、自分ちのシステムに不満もなく十分楽しんで聴いていたのですが、感動しちゃっちゃぁねぇ。

 しかしこのAmpex、この年代物ですから今となっては流通量も少なく、なかなか市場にも出てこないらしいので、どの道その気になっても簡単に手に入るものでも無いとのことでした。

 

 困ったものです。

 

 

 

 

*1:なんて書いていますけど、Ampexの音を聴いていなければ いい音がなってるなぁ と思っていたと思います。