こんばんは。
少し前に日本公演を行ったSara Gazarek。
海外遠征から地元のLAに帰ってきてのライブに行ってきました。
(サラさんの日本公演に行かれた方は居るのかな?)
場所はロサンゼルス国際空港(LAX)のすぐ近くにある Sam First というJazz Clubです。
ちょっと奥まった所に入り口があり、大きなサインも無いので パッと見た目には分からなかったです。
目印は写真にある、針と糸が描かれた黄色い丸。
このクラブは比較的最近できたらしく、LA界隈のジャズミュージシャンの間ではかなり評判が良いそうです。(とサラさんが言ってました)
チケットはオンラインで先に買っておこうと思ったのですが、Webを見ると2セットのライブがあるように書いているのですが、1stか2ndを選ぶことが出来ません。
どうやって購入するの? と結局クラブに電話して聞いてみたところ、入れ替え制では無いので、分けてチケットを購入する必要は無し。
最後まで聴いていたかったらそのまま居れば良いよ、 という事でした。
うーん、おおらか(笑。*1
今日のバンドはピアノトリオの様です。
奥を見るとバーカウンターにサラさんをはじめ、バンドメンバーが打ち合わせでもしてるようです。
そう、このクラブはステージが客席と面一なんです。
でもって、上の写真の右の方に席が写っていますが、とにかくミュージシャンとの距離が近い!
だから、ピアノ氏やドラム氏は椅子に座っているので観客と目線の高さも同じ。
クラブに到着した時は、既にそこそこ席が埋まっていたのですが、偶々開いている席は演奏者に一番近い席だったので、そこに陣取ります。
これは近すぎてみんな敬遠したのかもしれません。
取りあえず座っていると、サラさんが歩いて来たので声を掛けてみました。
1年半以上ぶりだったのですが、どうやら覚えていてくれたようです。
日本はどうだった?と聞くと、むっちゃ楽しかった~ と予想通りの答え。
なんと、今回の来日公演で日本に訪れた回数は17回目だとか。
私が帰国した数よりも多いじゃないか(笑。
本当に日本が好きみたいです。
私も日本でサラさんのライブを見てみたいものです。
とにかく小さい会場で、ステージと客席の段差も無し、バーカウンターもすぐ近く という環境もあってか、サラさんもMCと言うよりも普通に雑談してるような雰囲気でライブは始まりました。
新しいアルバム発売前だったので、新曲メインのセットリストでした。*2
新譜は今までのアルバムとはガラッと雰囲気が変わって、クールな曲が多くなっています。
新境地を開拓しようというサラさんの意欲が全面に感じられます。
それにしても、近い、、、
しっとりと歌うというよりもパワフルなボーカル曲が多いので、ほとんど生声で聴いている感じでした。
ガンガン攻めてきます。
すごい迫力。
勿論、抜けるようなシットリ系も織り交ぜて、あっという間に1stセットが終わりました。
実は、余りにミュージシャンに近すぎて見入って(聴き入って)しまったので、1stセットは一枚も写真を撮れませんでした。
2ndセットに入るまでのインターミッション中、サラさんがセットリストの確認をしていたので、タイミングを見計らってCDジャケットにサインをもらいに行きました。
もらった(笑
このCDを出したら。
「あら!良く持ってたわねぇ。このCDはもうこっちでは手に入らないのよ。」と言われたので。
「知ってる、日本で探して買ってきた」
「そっかー、なるほど」
「そうそう、ニューアルバム 日本では既に発売されたでしょう?日本でオーダーしたからもうちょっとしたら届くと思う」
「Good!!! でもね、日本盤とアメリカ盤では収録曲がちょっと違うから、あなたはどちらも買わないとダメよ♪」
うーん、商売上手。
美人に弱い私は結局アメリカ盤も買う事になるのであった。*3
「ところで、席がえらく近いけど写真って撮ってもいいの?気にならない?」
「もちろん大丈夫、ドンドン撮って。でもフラッシュは使わないでね」
ということだったので、2ndセットではちょっと写真を撮りました。
さ、メンバーが戻ってきて2ndセットが始まります。
今回のメンバー、ベース氏はいつもと同じですが、ピアノ、ドラムは初めて見る人達。
この二人、なかなか というか、かなり良かったのです。
Christian Euman(Drums)は演奏中 終始とにかく楽しそう。
楽しそうというよりも、楽しくてしょうがないというのが抑えきれずに出てしまってる感じです。
なんだろう、子供みたい(笑。
見ていてこっちまで笑みがこぼれる様な奏者でした。
それでいてちゃんと周りとのコンタクトも怠らず、とても気配りの行き届いた人なんじゃないかな という印象。
Paul Cornish(Piano)は、驚くほど上手かった。
ソロのインプロとか、速いフレーズなども素晴らしかったのですが、飛び抜けてすごいなぁ と思ったのは、小さい音の出し方が秀逸でした。
ピアノって構造上小さい音を出すのが難しいと思うのです。
ある程度小さな音なら左程では無いかもしれないけど、極々小さい音となるとヘタするとハンマーが弦に届かなくて空振りという事も起こります。*4
それなのに、蓋は全開なのに聴こえるか聴こえないかくらい小さな音をとても綺麗に鳴らしていました。
しかも、それをコードで!
単音でも難しいのに、コードでも音のバランスを崩さずにあそこまで小さく綺麗に鳴らすのは相当の腕だと思いました。
それでいて、ムリムリ前に出る事などせず、こちらもとても周りに気を遣う性格なんじゃないかな という演奏でした。
そして面白かったのは、ピアノ氏もドラム氏も、演奏に入り込むと声が出るタイプだったこと。
結構そう言うミュージシャンも多いのですが、声の出方にはムームー系、鼻息系等色々なパターンがあります。
彼らは二人とも 「あ~~」に濁点がつく系でした。
一歩間違えれば邪魔な音になりますが、私は奏者の声は結構好きなので、またニヤニヤしてしまいました。
(ベース氏は声は出さないタイプ)
新しい曲を主に演奏したのですが、過去アルバムからの曲も数曲ありました。
その中に私の大好きな曲「O Pato」が演奏されました。
歌詞がポルトガル語、なのかな?曲を始める前にサラさんが
「ポルトガル語を話せる人はいる?」と聞くと一人手を挙げた人が居ました。
そしたら
「バーテンダー!彼女に酒持ってって!!彼女が酔っ払うまで唄わない!」
と笑いながら曲が始まりました(笑。
考えてみたらこの曲はCDでもライブでもピアノとのデュオでしか聴いたことが無かったので、バンドとしては初めて聴くことになりました。*5
デュオでの演奏が素晴らしくて好きになった曲ですが、バンドバージョンもこれはこれでとてもノリが良く、聴いていてニヤニヤしてくるくらい心地よかった。
サラさんの歌が主役なのは間違いのですが、それを引き立てるバンドの各楽器の連携がとてもうまい。
狭い場所というのもあるのですが、意思の疎通がスムーズというのがとても伝わり、ピアノ氏もドラム氏も(勿論ベースも)飛び出る事無く常に間を上手く捉えて演奏しているので、バランスがとても良かったのです。
このバンドはいいなぁ。
全編通してとても心地よいライブでした。
会場もPAとか全く要らないんじゃない? というくらいの大きさで、奏者からのエネルギーをモロに喰らうことも出来て大満足でした。
Sam First、新しくて綺麗だし、なかなか良いクラブです。
時々遊びに来ることになりそうです。
クラブから出てすぐの歩道からは、LAXがすぐそこに見えます。
ほんとに空港のすぐそばにあるJazzClubで、ちょっと久しぶりのSara Gazarekのライブでした。
楽しかったよ~。
そのうちまた日本公演もあると思いますので、機会を作って是非行ってみてください。