こんばんは。
そうなんです、まだもう一つ残っていたのです。
帰国時に体験してきた修行。
今日は修行 と言うのとはちょっと違いますが、それに関連した重要イベントです。
私がいつもガラス細工に使っている材料のメーカー、「佐竹ガラス」の工場見学に行ってきました。
少し前に上げた庭の記事。
その時の藤の写真に一緒に写っているのが佐竹ガラス製のガラスロッドです。
↓こちら
このガラス棒を溶かしてとんぼ玉を焼いています。
数年前に帰国した時に見学に行こうかと思っていたのですが、滞在先の実家からは電車を乗り換え乗り換えで2時間程かかる為、時間的な事で断念したのです。
しかし、昨年末の帰国は修行の旅。
やはり自分がいつも使っている材料の制作工程を一度見てみたかったので、工場見学の予定を優先して他の予定を組みました。
佐竹ガラスへのアクセス、私は電車で行ったのでJR阪和線 信太山駅から徒歩で向かいました。
駅から徒歩約10分、背の高い煙突が目印です。
敷地はかなり広いようです。
佐竹ガラスは1927年設立という とても歴史のある会社で、社屋は国の有形文化財として登録されています。
その建物を見るのもとても楽しみでした。
工場の事務所は狸の置物のある所が入り口になっていました。
狸の所から中を覗くとSATAKE'Gの暖簾。
最初は入り口が分からなかったので「すみませ~ん」と声を出すと左手にあったドアが開いて事務の方が出てきて工場を案内してくださいました。*1
上の写真の暖簾をくぐった奥が工場になっていました。
最初に出てきたのはガラスを溶かす溶解炉。
ガラスの原料を入れて約12~15時間かけて全体が1300℃になるまでゆっくり加熱するそうです。
丁度その時、職人がやってきて棒を溶解炉に突っ込み、溶けたガラスを巻き取って引き出しました。
真冬ですが、半袖なのはやっぱり暑いのでしょう。
この溶解炉の奥が溶けたガラスを伸ばしてガラス棒にする場所だったのですが、、、
これがかなり見ごたえのある作業風景でした。
だぁ~~っと続くプラットフォームがありますが、先程のガラスを巻き取った棒を職人がここまで持ってきて、プラットフォームの手前端から突き出たシャフトにテレっとガラスを引っかけて、奥の方にとぉ~っとゆっくり歩きながらガラスを垂らして行くのです。(上の写真の手前に座っている方は、冷めたガラス棒を出荷時の長さに切断する職人です)
スタート時は割とスタスタと歩いてガラスを垂らしているのですが、徐々に棒に巻き付けたガラスが冷えてくると歩くスピードをそれに合わせて落として、垂れるガラスの量を調整して太さが極力変わらない様にしていました。
ガラスを引っ張っていく様子もずっと見ていられるのですが、冷めたガラスを手際よく同じ長さに切って(折って)行く作業もまた面白い。
やっとこでつまんで引っ張ってきて、切断位置をもう片方の手のやっとこでつまんでパキッと折る。
ずっと見ていられます。
うーん。
これは言葉ではちゃんと説明しきらないので、是非動画で見て頂きたいと思っていたのですが。
写真では職人の顔にボカシを入れることが出来るのですが、動画には私は入れられないので、動画を公開しても良いか佐竹ガラスの方から許可を頂こうと思っていたのです。
ところが、このコロナ騒動の影響で佐竹ガラスも工場を一旦閉めてしまって連絡が取れなくなってしまいました。
まだ連絡が取れないので、動画は諦めて記事を更新することにしたのですが、もしかしたら動画は後日上げる事が出来るかもしれません。
ガラス棒を作る作業場の次にはガラス職人がトンボ玉を作っている工房も見学させて頂けました。
とんぼ玉制作に関しては写真撮影は禁止されたので、すみません、そこの写真はありません。
写真は撮れませんでしたが、はぁ~こんな作り方もあるのか ととても参考になる貴重な見学でした。
工場見学の次は併設されているギフトショップにお邪魔しました。
なんせ殆どトンボ玉と言うものを見る機会が無いので、こんなに沢山のトンボ玉を見て大興奮!
とんぼ玉以外にもガラス細工が置いていあったのですが、これは凄かったです。
孔雀。
良くもまぁ、阪神大震災の時に壊れなかったものです。
他にも著名な蜻蛉玉作家の作品も沢山販売されていて、ほんとに勉強になりました。
作家物はとても高額で無理だったのですが、二つばかりトンボ玉を自分用お土産に購入しました。
最後はガラス棒販売のスペースです。
佐竹ガラスロッドは有名手芸店でも取り扱っている所があるのですが、ここにはカタログに載っていない特色もあります。
私も手持ちに無い欲しい色があったので、ガラスロッドも購入。
これで工場から出て事務所の方に向かったのですが、案内してくださった方が事務所で社長の佐竹氏に紹介してくださって、色々とお話しすることも出来ました。
実は、事前に工場見学は可能かどうか電話で確認した方が良い という事は知っていたのですが、帰国してバタバタしてるうちに行ける日程が狭まってしまい、見学できるかどうかも分からないけど とにかく行ってみよう。見学できなくてもガラスロッドを購入出来ればいいか と言う勢いで向かったのでした。
下手すれば片道2時間かけて、現地滞在時間は15分 とか言う可能性もあったのですが、とても良くして頂き、じっくりゆっくり説明付きで見学させて頂いた上に、最後には佐竹氏からお話を伺うことも出来て、本当に有意義な時間を過ごせました。
行って良かった!
これで日本修行の旅のイベントは全部です。
たぶん、、、
なんも忘れてないよね?
今、焼いてみよう と思った柄があって、何度も挑戦しているのですが、いいとこまで出来てるのに、もう一つ納得できない。
それが何とかなったら、次回は暫くぶりに蜻蛉玉関連記事の予定です。
*1:本来工場見学を受け付けている曜日は決まっているそうなので、事前に電話で確認をした方が良いと思います。私は突然お伺いしてしまいましたが仕事納めの日で他に予約も無かったためか、すぐに案内して頂けました。よかった、、、。