こんばんは。
裏庭に巣を作ったヤブガラ。
無事に子供が巣立ったのも、もう2ヶ月ほど前の事。
書く事の量と時間とのバランスが取れず、だいぶ遅れたのですが、その時の巣を解体した話です。
子育て中は毎日中を覗いてみたくてたまらなかったですが、そんな事で巣を放棄されてしまっては大変。
じっと我慢の子であったのです。
巣立って暫くはヤブガラ達は裏庭に居たので、すぐに巣を外しに行くと今後(来年以降)警戒されそうだったので、少し様子を見てから取り外して解体してみました。
これがその巣です。
住んでる時は近くに行く事も極力避けていたので、まじまじと見るのは初めてです。
長さは大体20cmくらい、かな。
入り口の大きさは指と比較してこれくらいです。
巣立つ直前にはこの穴から雛が外の様子を見ていました。
その時の様子はこちら。
さて、ベンジャミンから巣を外しますが、ものすごい埃や塵が飛び散る事が予想されるので、防塵体制を整えてから作業に臨みます。
ラテックスグローブと腕カバー。
塗装用防塵マスク。
いざ。
枝から外す時にボロボロと崩れるかと思いきや、意外としっかりしていて引っ張って外しても原型を留めています。
取れた。
入り口から開きにしようとしますが、ほんとにしっかりと編まれているというか、、、、どうやって作ってんだこれ?
何とか開きました。
なんと、ただ枯草やゴミを拾ってきて押し固めただけでなく、材料を使い分けて階層が出来ていました。
すごいです。
縦長の巣の中にあんな小さなヒナエナガが入っていて、どうやって入り口から顔を出しているのかと思ったのですが、居住空間は上の1/2程度(もっと小さいかも)で、後は全部クッションでした。
言葉では説明しにくいので、分かり易いと評判のオレンジ製の断面図解を載せておきます。
いやー、まったくわからん(笑
先に出てきた指と比較してる穴が入り口で、そこからの居住スペースの内装は毛糸?麻ひも?みたいなものが敷き詰められていました。
この時点で凄くないですか???
外壁は硬めの枯葉や小枝、茎からむしった繊維質のもので固めたトゲトゲゴツゴツなのに、内装はカーペットで囲まれてるようです。
居住スペースの床部分は、動物の毛(多分隣の家の秋田犬の毛かと思われます)をかなり厚めに敷いているのですが、これも2層構造になっていました。
居住空間から下の部分の1/3~半分くらいを動物の毛が占めているのですが、全体にフワッと詰められている中心、実際に卵を抱えてる時や、ヒナが生活する場合の床になる部分は、毛を押し固めたお椀状のクッションになっていました。
同じ材質なのに、ポロっとお椀ユニットが外せるくらいしっかりと作り方を変えていました。
すごいな、、、
ここが居住スペースの床部分です。
分かり難いのでアウトラインを入れると、、、
こんな感じ。
そこだけポロっと取れました。
その下のフワフワエリア。
フワフワの下は枯草や植物繊維など編固められていました。
多分材料は月下美人の葉っぱの繊維や、ヤシの繊維で編んだ植物用のバスケットをむしって取ってきたものが主になっている様子です。
これは外装部分もほぼ一緒で、構造体となってるようです。
取り出したお椀状のクッション、居住スペースの床部分ですね。
それをほぐして見たら、卵の殻が出てきました!
こんなの。
ちっちゃ!
こんな小さい卵なんですね。
ここから生まれたばかりのヒナ、昆虫くらいの大きさじゃないかな。
それが巣立ってあんなにかわいいダンゴを見せてくれたのかと思うと、感慨深い。
しかし、ヤブガラの巣がこんなに凝った造りになっているとは思いもしませんでした。
分解しながら本当に驚きっぱなし。
かなり感動と興奮がゴチャゴチャになってました。
あんなに小さいのに、どれだけ苦労して自分の家を作ったんでしょうね。
その苦労を想うと自分ももっと真剣にモノづくりに励まないと と気が引き締まります。(彼らはまさに命がけですからね)
ちゃんと場所によって適切な材料を探して来たり(それすらもリスクがあるでしょうし)、作業内容も変えているようで、相当な知能があるという事も納得です。
本当に良い経験をさせてもらいました。
ヤブガラ一家に感謝。
あー、しかし。
この小さい場所にヒナがぎっちり入って上を見上げてるところを巣穴から覗いてみたかったなぁ。
来年もまた帰って来るといいな。