模型じかけのオレンジ

模型制作記を中心に、趣味の工作関連、車、オートバイ、その他色々についてロサンゼルスの生活事情と合わせて綴っています。

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近年見たおすすめの白黒映画「Paper Moon」(ほんとは3本紹介するつもりだったけど、文字数が多くなりすぎて1本になりました。)

 こんばんは。

 

 ずーっと映画館が閉まっているので暫く映画関連記事を書いていないです。

 本当なら今月の半ばに映画館が再開する予定だったのですが、、、残念な事にカリフォルニアはまた半ロックダウン状態に戻ってしまいました。

 当分映画館に行く事は出来ないので、自宅で見た映画の事を書いてみます。

 

 自宅で見た映画、となると多くて絞るのが難しいので、白黒映画の中から印象深かった3点を選んでみました。(この時点では3つ行けると思っていた)

  

 一つ目のタイトルは「Paper Moon(ペーパー ムーン)」

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 有名な映画なので既にご覧になっている方も多いでしょうが、白黒映画をあまり見ないという方もいらっしゃるかと思い選びました。

 ジャンルは、、、多分ロードムービーになるかと思います。

 とある詐欺師(モーゼ)が成り行きで女の子(アディ)を遠く離れた彼女の親せきの家に連れて行く羽目になり、その道中でのあれやこれやが主となる物語。

 詐欺師と女の子の旅という設定からして、どんなハチャメチャドタバタ劇が繰り広げられるか と思いますが、まさにその通りの退屈する事の無い展開が最後まで続きます。

 ストーリー自体が見どころの一つではありますが、特筆すべきは、というかこの映画一番の見どころは詐欺師に連れられて旅をする女の子、アディ。

 アディ役のテータム・オニール(Tatum O'Neal)の演技が素晴らしいのです。

 子供なのにすごい というレベルでは無く、主役の詐欺師を完全に喰ってます。

 なんだこの子!と思って見終わった後で調べて見た所、10歳にしてアカデミー助演女優賞を獲得して、いまだに最年少記録は破られていないとか。

 旅の間中、二人のやり取りが本当に息ピッタリでとても引き込まれるのですが、それもそのはず主演のライアン・オニール(Ryan O'Neal)とは親子という事でした。

 

 映画が始まるとすぐにテーマソングが流れるのですが、それはスタンダードとしてとても耳に馴染みのある「It's only a paper moon」。

 私の音楽環境では歌詞のついていないVer.で聴くことが多く、意識していなかったのですが、この歌詞がとても良いのですね。(歌と並行して字幕が出ます)

 このPaper moon、そのままの意味は「紙の月」ですが、当時のアメリカではもっと深い意味があったようで、劇中でもシーンの一つとして出て来るのですが、写真を撮るという事がまだまだ特別だった時代、家族写真などの背景に書き割りとして人気があったのが「月」だったようです。*1

 そこから「月」には、楽しい、幸せな思い出 というイメージが付いているそうです。

  

 他の人がどう思うのかは分かりませんが、私がこの映画でものすごく感動したこと。

 それは主役の詐欺師の手口だったのです。

 勿論、詐欺全般、人をだますという事は良く無い事ですし、けっして肯定するつもりは無いのですが、、、この映画でモーゼがいつも使う詐欺の手口というのが、、、ものすごく素敵な詐欺なのです。

 いや、ダメなんですよ?騙すのは。

 なのに、なにが感動したかっていうと、犯人が捕まらないという前提で ですけど、騙した方も、騙された方も幸せになれる詐欺だったのです。

 騙した方は幾ばくかのお金が入ってくるわけですから、もちろんウハウハです。

 と同時に騙された人も、少しだけ幸せになれるというか、心のよりどころが出来るというか、嬉しいというか、そういう気になります。

 普通は、例えば価値のない土地をだまされて高額で買った とか、いつかそれが嘘だった事が発覚して、騙されたーー!となって詐欺の訴えがおこるのですが、彼の手口はその事がずっと素敵な思い出となって心に留まり続けるので被害者から詐欺の訴えが出ることは無いのです。

 何故なら、元々その被害者以外の人には何の価値も無いものなのだけど、詐欺にあった人にはとても価値のあることなので、本人はそれに納得していてそれが嘘だったと証明する方法も無ければそれを疑う気になる人も居ないから。

 とはいえ、絶対にそんな事認めないという人も多いのは分かります。

 ただ、私ならこんな詐欺ならかかっても良いかな と思ってしまいました。

 取られるお金も莫大な大金ではなさそうだったので*2、それくらいなら一生持ち続けられる思い出の対価としては悪くないか と思いました。

 

 「It's only a paper moon」の歌詞のとても印象的な部分

 ” But it wouldn't be make-believe
  If you believed in me "

 「もしも僕を信じるなら、それは真実になるんだよ」*3

 映画のタイトルはこの歌のタイトルから持ってこられているのですが、映画を観終わると本当にピッタリだ、としみじみ思います。

 

 と同時に、この歌詞はモーゼの詐欺の手口にもかけてあるんじゃないかな と思うのは考え過ぎかな?

 

 なんとなく退屈とか単調とかいうイメージを持っていたりして、白黒映画は避けてしまう方も、試しにご覧になってはいかがでしょう。

 おすすめです。

 

 

 と、ほんとはあと2本白黒映画を紹介するつもりだったのですが、、、

 何で1本だけでこんなに長くなるかなぁ。

 もっと簡潔にまとめる術を習得するのが課題です。

 

 他の映画はまた次の機会に、、、

 

 次回はめっちゃ短いのを書いてみる。

 

 

 

 

*1:最初のジャケット写真のような月です

*2:当時の貨幣価値がどうなのかはわからないので、そう思っただけですが

*3:歌詞なので、豪快に適当な訳です。make-believeは一括りになると「まやかし」とか「偽り」という意味ですね