模型じかけのオレンジ

模型制作記を中心に、趣味の工作関連、車、オートバイ、その他色々についてロサンゼルスの生活事情と合わせて綴っています。

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基本塗装パターンはアカハラとする! ~ 福崎町観光協会 河童の河次郎(がじろう) 制作記 3 

 こんばんは。

 

 河童のガジロウ制作記。

 今回は身体の塗装に入ります。

 

 さて、世間一般的に河童というのはどういうイメージでしょう。

 キットを入手した時にもチラッと書きましたが、多くの人が持つ河童のイメージは鳥山石燕の図画百鬼夜行からスタートして、色々アレンジが加えられた物のように思います。

 身体のバランスは人型に近くて、体色は緑系。

 ところが、制作中なのは遠野物語に出てくる河童です。

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 柳田国男は民俗学者であって、妖怪研究家というわけでは無いのですが、この遠野物語には妖怪にまつわる話がいくつか取り上げられています。

 その中に河童が登場する話もありますが、この河童 世間一般的な認識とはちと違います。

 先ず色は赤いです。

 長髪。

 で 口がデカい。

 ここしばらく読んでいないので、記憶違いかもしれませんが、確か人間から産まれたというショッキングな内容の話もあったと思います。

 石燕から柳田国男までの間で、かなり河童の伝承にも幅が出てきたようです。

 おそらくこの二人の間に入って来るのが井上円了なのかな?*1

 

 という事で、遠野の河童は赤いのです。

 それを踏まえて塗装に入るのですが、、、その前に。

 前回の工作の続きがまだ少し残っていました。

 河童のシンボルでもある頭に乗っている皿と、髪を少し触りました。

 キットを組んでみたところ、私の組が悪かったせいか、どうしても髪のパーツが身体とピッタリ来ません。

 仕方ないので隙間をエポキシパテで埋めました。

 と同時に、皿と髪の境目もパテで少々修正しました。

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 皿と髪の隙間を埋めつつ、皿の下から髪が少し盛り上がって来ているようにしました。

 

 さ、これで塗装に入れます。

 予め塗装しておいた口のパーツを接着した後、その部分にティッシュを詰め込んで、縁はマスキングゾルを使いマスキングします。

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 (緑の泡を吹いているみたいで怖い)

 

 下地として全体を黒で塗装。

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 黒といっても、真っ黒ではなく、Mr.Colorのタイヤブラックを使っています。

 この色は使い勝手が良いので、とても気に入っています。

 

 いよいよ本塗装に入るのですが、赤い河童 さてどうする?

 デザイン力の無い私は、こういう時は既存の物を流用することを考えます。

 河童って、爬虫類?

 それとも両棲類? (←いや、どっちでもない)

 甲羅をしょってるので爬虫類かと思いますが、体表は鱗という感じでも無いし、そもそもカエル顔です。

 どちらかというの両棲類寄りかなぁ。

 じゃ、赤が入る両棲類で比較的目にする機会の多い アカハラ(イモリ)を参考にして塗装パターンを考る事にしましょ。

 最初は通常個体のパターンとして、腹側を赤、背中側を黒で塗り分けようと思ったのですが、そうすると顔は黒になってしまいます。

 そこで、突然変異個体に見られる 全身が赤(朱色)と黒の塗り分けになっているパターンにすることにしました。

 最初に明るいオレンジ系の色(ほぼダークイエロー)で全体を塗装します。

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 (腕は塗装の邪魔になるので、接着線を消した後 エイっと一気に折って取り外しています)

 

 奥まったところは下地の黒を残し気味で塗装しています。

f:id:mata1:20180429170240j:plain 頭部は髪のパーツを付けたまま塗装して、髪の毛の下の部分は黒が残った状態をキープしました(陰になります)

 

 この上から更に朱色に寄せた色を塗装。

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 お腹や顎の下(首)、手足の内側等、弱い部分はオレンジ系が透ける様に薄めに、通常のアカハラの黒い部分に当たるところを朱色に持っていきます。

 かなり明るい朱色ですが、基本塗装の上からウェザリング等かなりの色を重ねていくのでドンドン暗くなります。

 それを見越して明るめの所で体色とします。

 朱色に上がってきたら、その部分に黒で柄を入れて行きますが、実際のアカハラを見ると、赤と黒の塗り分けは思っているよりも境界はクッキリしています。

 それをそのまま真似ると嘘っぽくなるか と思い、エアブラシの細吹きフリーハンドで柄を入れたのですが、、、

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 どーもボヤっとして、アカハラ感が全く出てきません。

 境界をぼかし過ぎた為か、結局嘘っぽくなってしまいました。

 エアブラシを使うとしても、エレキングの時の様に 先ず筆でキッチリ塗り分けた後、その上からエアブラシを被せた方がまだマシだったかもしれません。

mata1.hatenablog.com

  

 結局、筆塗りで柄を追加したり、塗り分けをクッキリさせたり、手を入れました。

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 全てのブラシのボケを消したわけではなく、筆で境界をはっきりさせた所と色々にしたのですが、改めてみると筆で塗り分けた所の方が本物っぽいです。

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 うーむ。

 最初に観察した時の直感を信じればよかったな。

 って、最初のと比べても写真だとまったく分かんないですね、、、

 この時点で軽く陰影を強調する塗装を追加しています。

 タミヤのアクリルを薄く溶いたものを陰になりそうなところに筆で置いて行きます。

 分かりにくいですけど、お腹の弛んだところとか、太ももとふくらはぎの重なったところとかを比べてみると少しわかるかもしれません。

 このまま何度か陰影やシミ、柔らかそうな所には血管を追加していけば、身体部分は大体終わりです。

 

 制作中のガジロウのキット、実は少し前に知ったのですが、ものすごい売れ行きで発売後暫くしたら完売、絶版だったそうなのです。

 うわー、制作記を始めたのにキットは既に手に入らないのか と思っていたら、なんと再販決定で現在予約受付中だそうです。

fukusakikankou.stores.jp

 周回遅れでのちょっと先取り。

 完璧なタイミングでの制作記をお届けしております。

 

 しかも、さらに嬉しいニュースが! 

 妖怪プラモデル第2弾の発売も決定!!

 お題目は、天狗!!!

fukusakikankou.stores.jp

 原型の写真をネットで見た時、翼の造形の素晴らしさに驚愕。

 ものすごい出来ですね。

 これも発売して完売までに時間は余りかからないかもしれません。

 気になる方は予約した方が良いかもしれませんね。

 

 ただいま日本は連休中ですよね?

 どこか遊びに行こうかな?と思っている方。

 妖怪が熱い福崎町、私の代わりに行ってきてください。

www.fukusakikankou.jp

 

 

 

 ガジロウ制作記

 次回は甲羅を背負わせます。

 

 

*1:つい最近彼についてのお話を偶々読んだのですが、彼が河童について何か残しているのかどうかまだ調べていません。