模型じかけのオレンジ

模型制作記を中心に、趣味の工作関連、車、オートバイ、その他色々についてロサンゼルスの生活事情と合わせて綴っています。

*当ブログではアフィリエイト広告、Google AdSenseを利用しています

今このタイミングで出さなくて いつ出すの? 過去作品 ~ デッカード・ブラスター 入手編

 こんばんは。

 

 先日、BladeRunnner 2049のレビュー記事を上げました。

mata1.hatenablog.com

 

 前評判が余り良く無かったり、初日は興行的に思わしく無かったり と言うようなことを書きましたが、後日 その時に公開中の映画をまとめて評価するようなトピックを読みました。

 公開中の映画を 見ておくべき映画、見ても良い映画(条件付き)、みなくても良い映画、とはっきり3つに分けて、その上で1本ずつ個別にポイントが書いてあったのですが、、、

 その時点で、BladeRunnner2049は 見ておくべき映画 の筆頭に挙げられていて、かなり評価が高くなっていました。

 相変わらず、まだ興行収益的には余り良くないみたいでしたが、映画として良い と認める人も増えてきている様でした。

 

 という事で、先日のレビューに関連して、過去の作品を紹介させて頂きます。

 2049の中でも、効果的すぎる使い方をされた、通称「デッカード・ブラスター」です。

 

 今から約17-18年ほど前、友人のS君が突然こんなことを聞いてきました。

 「オレンジ、ブレードランナーって知ってる?」

 「ん?映画の?勿論知ってる。大好きな映画」

 「おー。オレンジってプラモデルとか、作る?」

 「今は道具も何も無いからやってないけど、ずっとプラモは趣味だよ」 

 「実は、以前にブレードランナーに出て来る光線銃のプラモデルを買ったんだけど、なんか全然分からなくて、、、。電球とかついているけど、電池繋いでも点かないし、説明書もないし、普通のプラモじゃ無い。ずっとほったらかしになってるんだけど、、、欲しい?」

 「(ブレードランナーの光線銃って、、、デッカードのブラスターの事か?まじで?)え?どんなのか分からないけど、作らないの?いらないの?だったら欲しい!」*1

 「じゃ、あげる。でも一つ条件があるんだけど、完成したら見せて?」

 「あげるって、タダでいいの?完成したら見せるのはいいんだけど、今は道具とか全く持ってないから、いつになるかわかんないよ?」

 「あーいい、いつでも。出来たら見せて? じゃ今度持ってくるね。」

 という流れで、後日S君が持ってきてくれたのは、なんとDOPPELGÄNGER PRODUCTIONSのガレージキット(以下GK)だったのです。 

 

 GKと言うのは、書物で言えば自費出版、音楽で言えばインディーズ みたいな感じで、原型師が制作したオリジナル原型を(主に)シリコンで型取りして、レジンを流し込んで作ったような、文字通り自宅のガレージで複製した様な模型です。

 S君が作れなかったのも無理もない事で、一般的なGKは(アメリカ物は特に)、シリコン型の歪みやズレ、何度か複製すると千切れてしまって部分欠損があったり、レジンを流した時の気泡の巻き込みや、硬化時の発泡等々、かなりプラモ経験が無いと完成させる事が難しい場合が多いです。*2

 ちなみに、彼が電池を繋いでも点かなかった電球というのは、LEDでした。

 普通の乾電池では電圧不足で点灯しなかったのです。

 

 彼が持ってきてくれたドッペルゲンガーのブラスターは、一応名の通ったデッカード・ブラスターのGKで、制作当時はインターネットも今の様に普及してなかった時代のうえ、もともと資料が殆ど無かったブラスターなので、デザイン等謎の部分が多く、この原型師も相当のリサーチをして制作したのでしょう。

 その後、映画で使われたプロップが発見されたこともあり、今ではデザインの詳細も明らかになっているので、ドッペルゲンガーのキットも色々と差異がありますが、、、今となっては と言う感じで、大幅な改修をする気も無ないです。

 

 さて、制作を始めたのは、入手してから何年たってからだろう、、、

 ようやく道具や材料を揃えることが出来て、プラモデルの趣味を再開。

 遂にこのキットに手を入れることが出来る様になりました。

 そして、いざ制作を始めてから、コレはとんでもないキットだという事を再認識。

 銃身は勿論円筒状のはずなのに、シリコン型が歪むわズレるわ、平面であるはずの場所は波打ってるわ、気泡は鬼のように入ってるわ、、、ひどい状態でした。

 永遠に終わらないんじゃないか? と思うような形態修正、気泡除去、表面処理。

 もう出来云々よりも、完成させて形に出来ただけで自分を褒められるくらいです。

 結局、完成したのは2010年だったようです。

 そのころは、S君は仕事も変わり、完全夜型の私に対して、彼は超朝方の生活になり、休みも平日のみ と、全く時間が合わなくなってしまい、合う事もほとんどなくなってしまったのですが、完成したブラスターの写真をメールで送ったところ、もうスッカリそんなことは忘れていたらしく、こんなのあげたっけ? みたいな感じでした。

 とにかく、約束が果たせたので、やっと私は一つやらなければならないことが減ったような気がして、ちょっと楽になりました。

 

 えーと、前置きが思ったよりも全然長くなってしまいました。

 途中の写真は無いので(確か撮ったと思うのだけど、探しても見つかりませんでした)、完成写真は次回にアップします。

 

 あまり需要の無いモチーフだと思いますが、入手がかなり困難なキットです。*3

 興味のある方は近日中に更新しますので、また遊びに来てください。

 

 

*1:ブラスターって、光線銃と言うよりは、熱線銃?

*2:最近の日本のGKは、機材も材料もアップデートされて、殆ど気泡も見られないような、超ハイクオリティなレジンキットも多いです。

*3:Ebayにも滅多に出てきません