模型じかけのオレンジ

模型制作記を中心に、趣味の工作関連、車、オートバイ、その他色々についてロサンゼルスの生活事情と合わせて綴っています。

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彫刻的アプローチ リューターを使って怪獣の皮膚を回復 (ビリケン商会 エレキング制作 2)

 こんばんは。

 

 前回、仮組まで終わったエレキング制作の続きです。

 

 このエレキングはソフトビニール製のキットなので、仮組は接合部をドライヤー等で温めて、グリグリ押し込んでいけばすぐに形になります。

 この手のソフビキットの完成品を見ていると、大きく分けて2通り、接合部分をそのままにしておいて、多少は手足を動かせるようにして完成させるパターンと、接合部を接着した後、継ぎ目を消して完成させるパターンがあるようです。

 私は後者、継ぎ目は消して完成させようと思っています。

 という事で、接合部分は接着してポーズを固定、継ぎ目はパテ等で埋めてしまいます。

 このキットは、他のモデラーの方が途中まで制作を進めていたものなのですが、首の部分は既に接着されていて、パテ盛りまで終わった状態でした。

 そこで、この部分は既に盛り固まっているパテを彫り込んで、周りの体表となじませる方法で回復させます。

 ここで注意する事が一つ。

 ソフトビニールという材質は、軟質性なので、削ったり、ペーパーをかけたり という作業はプラスティックやレジン等の材料と比べると、非常にやりにくいです。

 私はこの素材に慣れていないので、下手に手を付けると余計に面倒なことになりそうです。

 なので、パテを追加したところ以外は、出来るだけ触らないようにして表面のガラ(?)を回復したいです。

 そこで、今回は削って表面を作る作業にリューターを使いました。

 最初に、継ぎ目の表面を回復する際にパテが盛り足りないところもあったので、ポリパテを追加盛りします。

 それが固まったら、リューターでゴリゴリ削ります。

 表面のガラ?模様?しわ?等をリューターで形を作ると同時に角も落とし丸みを付け、着ぐるみの雰囲気を壊さないように注意しながら外形を取ります。

 これは大きめのカーバイト系の先端工具(ビット)でペーパーがけが要らない程度の表面を出しながら形を作っていきます。

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(こんなの)

 といっても、車のボディの様に鏡面仕上げにするわけでは無く、怪獣の体表なので、そこまで神経質に仕上げてはいません。

 先にも書きましたが、キットの元のソフビの部分には極力触らないように、そのソフビの表面に似せた表面処理をするように気を付けます。

 

 外形がとれたら、周りとなじませるように細かい凹凸を付けていきます。

 ここで、ちょっと裏技を紹介します。(って、みんな普通に使っている技法かな?)

 良いリューターの条件の一つとして、センターがちゃんと出ていて、ビットを回転させてもブレが無い という事があると思いますが、まったく逆の事をします。

 先端が丸いビット(今回使ったのは直径1.4mmくらいです)をエイッと曲げてしまいます。

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 これ、超硬のカーバイトとかだと、曲がらずに折れるかもしれないので、安い工具の方が良いと思います。(使い古しで十分です)

 このビットを使い、低回転でブンブン回しながら、表面を撫ぜてやると、押しつけ具合を変えることによって、ボツボツを彫り込むことが出来ます。

 回転数と押し付け方、あと曲げ具合でもボツボツの彫り具合が変わってくるので、それは色々と試してみて下さい。

 簡単にボツボツできるので、全面を均等にボツボツにするとおかしくなってしまいますから、余りにも均等に彫れてしまったら、外形を取るときに使った大きめのビットで部分的に均したりして、出来るだけランダムに、規則正しくならないように気を付けます。

 こういう作業をする時にはフットスイッチがあると格段に作業効率が上がります。

 出来ればボリュームペダル(ミシンのペダルみたいの)付きだと、リアルタイムで回転数を微妙に調整しながら彫ることが出来るので、均一な表面じゃなく、表現の幅がかなり広がります。

 少々値段は上がるのですが、リューターを購入する時は、多少買う時期が遅れることになっても、フットスイッチ付きの物を購入した方が使い道は全然広がります。

 というよりも、出来ることが変わってくる くらいの差があります。

 

 薄黄色の部分がポリパテを足して彫刻した部分です。

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 良くわかりませんね(笑。

 その部分を拡大したら、、、

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 やっぱりよくわかりませんね(笑。

 他の角度にしても、、、

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 それを拡大しても、、、

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 たいして変わりませんか。

 グレーの部分はタミヤの普通のパテなので、また削れ具合が違いますが、黄色い部分と同じ感じで仕上げていけば、塗装してしまえば「ここ、継ぎ目消したんだよ」とわざわざ言わなければ見過ごしてくれるくらいには出来ていると思います。

 と、偉そうな事を言っていますが、怪獣モデリングは初めてなので、自分の持ちネタの中から使えそうな技法で工作をしているだけですから、怪獣の達人はもっと上手くいく別の方法で回復しているのかもしれません。

 達人がコツコツと手で彫り込んだ方が、もっとわからないように出来るとは思いますが、慣れていない人が彫刻刀でコリコリ彫っていく方法だとかなり大変だと思います。

 邪道と言われるかもしれませんが、リューターを使えば、このくらいのレベルなら、パテが固まった状態から10~15分くらいあれば、ぐるっと一周を塗装前段階まで行けますから、それはそれで他の作業に時間を回せるので悪くないと思います。

 色が違うと分かり難いので、黄色で全体を下塗りした状態の写真です。

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 多分、わざわざ言わなければ目立たない、、、んじゃないかなぁ、、、

 まぁ、知ってたらわかっちゃいますね。

 

 今回はすでにパテが盛られている状態から引き継いでの作業だったので、彫刻的アプローチで回復させましたが、やはりこういった生き物の様な、柔らかさを表見する場合は、塑造的アプローチの方が相性が良いと思います。

 

 次回はそのもう一つの方法を使って隙間埋めをします。