こんばんは。
ずーっと何も触れていなかったのですが、久しぶりにカタナの記事です。
キャブレターの清掃をしました。
最近、私のブログ周りでは何故かキャブレター関連の記事が続いていたのですが、どちらも かなり細かく、ちゃんとした整備をされている記事が書かれています。
私が今回行った作業は、とてもじゃないけど他の人には勧められない というか、オイオイ と突っ込まれそうな内容なので、他の方の記事を読んでしまった後で 果たして記事にしたものかどうか とも思ったのですが、写真も撮ったことだし、いつもの こんなことしたらこうなる という例として公開してしまいます。
かなり前に、刀を再起動しようと思ったらアイドリングしなくて、原因はキャブレターにあった ということを記事にしましたが、開けてびっくり フロートピンを固定しているところが欠けていました。
その時は、どのみちキャブレターはアフターマーケットの物に交換するから、もうこのキャブはいいかな、、、 と思ったのですが、換えるにしても交換前と後を比較できた方がいいか? ということで、その壊れたキャブを直してみることにしました。
中古のキャブを買うことも考えたのですが、調べてみると結構な値段だということもわかり、それを買っても結局OHしないと使えないだろうから 今手元にあるものを何とか使えるように出来れば と思いますが、完全に分解してフルOHとなると、とても大変です。
基本的には清掃 ということになります。
その前に、クリアしておかないといけないのは、フロート・ピンの支柱です。
どうしようか悩んだ結果、樹脂で盛り上げてピンを固定する部分を作り直しました。(オイオイ! と突っ込まれるところですね)
使ったのはJBウェルドという2種類の樹脂を混ぜると固まる金属部品の補修剤です。
ピンにグリスを塗って分離剤として、その上から混ぜたJBウェルドを盛り上げます。
固まった後、上手くピンも抜けました。
もともと片側が壊れた状態でも、かろうじてピンは固定されていたので それをサポートする程度なので何とかこれで行けそうです。(いけるのか?)
気になる点としては、この部分はガソリンに浸かってしまうので、どこまでガソリンに耐性があるかということです。
盛り上げて余った樹脂を、固まってからビンにガソリンと一緒に入れて、どうなるか観察してみたのですが、かなり長い期間放置しても溶けてしまうということは無いようです。
カチカチというよりは、ほんの少しやわらかくなったかな とも思ったのですが、ピンを固定するだけなので、このまま試してみます。
自分で実験したわけでは無いのですが、聴いた話によると、3Mのパネル・ボンドの方が耐ガソリン性は良いらしいです。
ただ、やはりパネルボンドは接着したい物の間に出来るだけ薄く使う のが良いようで、今回のように盛り上げて使う というのには向いてなさそうに思ったので、JBウェルドを使うことにしました。
固定ピンは何とかなりそうなので、次の問題はニードル・バルブです。
ここが問題でガスが落ちてこないと思われるので、この部品は交換します。
パーツを購入しようと思ってみてみると、このバルブはかなり高額であることがわかりました。
しかも、バルブ単品で買うよりもOHキット(もちろん、バルブも含まれています)を買ったほうが遥かに安い という不思議な事もわかったので、ガスケット等も同時に必要になるのでOHキットを購入しました。
今回は連結は外さないで、そのまま各ジェットを外したり、空気やガスの通り道をキャブレタークリーナーやエア等で通すという清掃だけにするので、この状態で外せる物を外して、パーツレベルの物は超音波洗浄器に放り込み、本体はつながった状態で清掃です。
コンプレッサーのエアを使うので、ベンチュリーも外しておきます。(ダイヤフラムがダメージを受けるので)
外した部品は基本付いていた本体に戻した方が良いと思うので、ゴチャゴチャにならないようにケースに分けて保管しました。
以前ブレーキ・マスターシリンダーを整備していたときもそうだったのですが、今回もキャブレターを分解するときは、作業台の上に、ベッドの下に収納出来るような薄型の衣装ケースを置いて、その中で分解、清掃をしています。
これだと、ケミカルを使っても回りは汚れないし、パーツを落としても床まで転がり落ちる事もないし、作業が終わればそのまま蓋をしておけるし と結構便利な点が多いです。
ニードルバルブは新品に交換ですが、外したパーツとキットに入っていた物を比べてみると、形が違います。
(こんな部品です)
キャブには嵌りますし、フロート・レベルに影響しそうな部分の高さは同じだったのでそのまま使いましたが、どういうことなのでしょう?
キットを良く見てみると、他にも パイロット・スクリューや一部ジェットも形状が違うようです。
私の刀は’82のGS1000SZなのですが、キットをオーダーする時には同じ年式の1100と1000は同じキットになっていました。
実は違ったのかな?
ちゃんと勉強しないからこんな事が起こるんですね。。。
幸いなことに、再利用が不可能な本体とボウルの間のガスケットやパイロットジェットの所に付くゴムのプラグ等はキットに入っていたものが使えそうなので、組み上げることは出来そうです。
再利用する部品は、出来るだけ綺麗に清掃して、本体の通路等の細い穴もキャブクリ、エアを使って通してからパーツを組み付けます。
あとはボウルとベンチュリー、てっぺんの蓋を取り付けて一応組みあがりです。
ちょっと関係ないことなのですが、作業場には、ちょっとした事に直ぐに使えるように あちこちに安物のドライバーを置いています。
このときも途中まではその辺に置いてある普通のドライバーを使ってたのですが、いよいよネジにトルクをかける という時や、キャブレターを分解する時とかは そういうドライバーはネジをナメそうな いやーな感じが伝わってくるので、工具箱からちゃんとしたドライバーを持ってきます。
良いドライバーは色々あると思いますが、私はPBのSwissGripを使っています。
日本車のネジには此方で一般的に売っているドライバーは合いが余り良くない、 と時々耳にするのですが、私の感覚ではPBのドライバーはとても合うように思います。
トルクをかけるときも、ちゃんと押す、まわす のバランスを間違えなければナメる気がしません。(といいながら、下手を打つ事もありますが、、、、、それは工具のせいではなく自分の技術の問題です)
ちょっと同じネジにドライバーを当てて写真を撮ってみました。
普通のドライバー
PB
2本とも、並べて見た感じでは同じサイズに見えるのですが、テーパーの付き方や厚み等、微妙に違うようです。
写真だとそこまではっきりした差に見えないかもしれませんが、実際にドライバーを当ててみるとガタの有無は段違いです。
まぁ、安物と比べる というのがそもそも意味が無いかもしれませんが、スクリュー・ドライバーという工具は、クオリティの差がとても分かりやすく、工具によってネジに与えるダメージをかなり減らすことが出来て、支払った金額以上の見返りを感じられる工具の様な気がします。
PBのSwissGripはとても気に入っていますが、一つ難点があります。
グリップの素材が滑りにくいように微妙な軟質素材で出来ているうえ、表面が梨地になっているので、使い終わった後掃除をしても中々綺麗にはならないです。
私の周りにも、それを嫌ってMulticraft(普通のプラスティック素材のグリップ)を使っている人もいました。
日本にいたときは日本製の貫通ドライバーを使っていたのですが、こちらでは貫通ドライバーというのは余り(というか、殆ど)売っているのを見ないです。
考え方が違うのでしょうか?
貫通ドライバーって英語でなんて言うんだろう。。。
お、元に戻らないとですね。
一応、全部組み終わったのですが、まだやらないといけない事があります。
油面の高さを揃えるために、フロートのレベルを調整しないといけないのですが、サービスマニュアルを見てみると、なんと専用の工具が要るようです。
良くあるように、バルブを作動させる位置のフロートの高さを測って調整する だと思っていたのですが、このキャブレターはボウルの底にあるプラグを外して、其処に専用工具を差込んで実際にガソリンを入れてどの高さまでガソリンが上がってくるかを計る という方法でレベル調整をするようです
そんな工具は持っていないですし、おそらくこの先使うことも無いような気がします。
そこで、ボウルの底のプラグ(ネジです)と同じサイズのネジの真ん中に穴を開けて、透明なホースを繋いでレベルを見られるようにしよう と思ったのですが。。。
多分M6x1.0だろうと思ったネジはM6のファイン・スレッドだったようで、ただでさえメトリックのネジは手に入りにくいので、ファインスレッドのネジは色々探しても売っているところが見つかりません。
ネットで購入となると、量も多くなるし、送料も結構かかるし、、、どうしよう となってしまって、まだ本組みが出来ていない状況です。
その後、色々考えた結果、これなら上手く行くんじゃないかな? というアイディアが出てきたので、今度試して見るつもりです。
それとも、カタナのキャブのフロート調整は、その筋の人ならみんな知っている良い方法があるのでしょうか?