こんばんは。
ちょっと前の話になります。
いつものCatalina Jazz ClubにSara Gazarekのライブに行ってきました。
季節の話題はやっぱりその時に更新しないと と思い、順番抜かしで花見の記事をその都度更新していたので、時系列は無茶苦茶ですが、私のブログでは何時もの事ですから気にせず過去の出来事もアップです。
さて、Saraさんのライブですが、初めてブログに音楽関連の事を上げたのがDavid BenoitとSaraGazarekのライブ記事でした。
mata1.hatenablog.com
あんまりにも内容が多岐にわたるのもどうか と勝手に内容を制限していたのですが、気分を盛り上げる為に大好きな音楽の事を書いたのでした。
その時、Saraさんはスペシャルゲストという事で、出番もそれほど多くなく、どちらかと言うとSaraさんが目当てだった私は、少々物足りないな と思っていました。(コンサート自体はすばらしかったです。)
それが、遂にSaraGazarekBandのライブという事で、それはもう楽しみでした。
昨年の終わりごろから、平日の夜に時間を作るのがかなり厳しくなってしまったのですが、無理やり時間を捻り出し、それでも何時もなら開場前に現地入りするところが、開演少し前に会場入りする事しか出来ませんでした。
やばーい、席後ろの方かなぁ、、、と思い入ってみると、、、
がらーーんとしていて、席は好きな所を選ばせてもらえました。
こんなにガラガラなのか、、、このまま始まるとしたらミュージシャンもテンション下がっちゃうなぁ、無理してきて良かった と心配するくらい。
(奥にあるバーカウンターです)
ところが開演時間が近づくにつれ、徐々に、というか、急に人が入り始めます。
平日の夜は皆さん多少スロースタートだったようで、余計な心配だったようです。
結局、席は一杯になり、ライブスタートです。
構成は、ピアノ、ベース、ドラムのトリオに、ボーカルというシンプルなもの。
(携帯のカメラしか使えず、照明の関係でいつも色が良くないので、いっそのこと白黒にしてしまいました)
やっぱり自分の持ち歌を、気の合ったメンバーと演奏 という事で、とてもいい雰囲気です。
それに、ゲストで歌うのではなく、自分のライブという事で、エネルギーの放出量も凄い。
前回聴いたときは、小さい と言えどもコンサート・ホールだったので、距離もありましたが、今回は小さい箱なのでマイクを通っていない生声もしっかり聴こえます。
ってか、恐ろしくパワフルなボーカルで、圧倒されるくらいでした。
マイク要らないくらいなんじゃないか?と思っていたら、途中でベースとボーカルのみの曲を演った時は、マイクを使いませんでした。
ものすごい声量です。
それでいて、本当に綺麗な澄んだ音。
心地いい。
そして、彼女はスキャットが凄く良いんです。
Jazzボーカリストが良くアドリブで入れる、一般的なスキャットを歌わせれば、もう楽器のようです。
演目にスタンダードの「Sunny Side of the Street」が入っていたのですが、途中のピアノ・ソロの所をスキャットで完璧にユニゾンでフォロー。(このピアノソロはアドリブではありません。CDにも同じソロが収録されています。)
こんなことされたら、どんな楽器もかなわんなぁ。
そればかりではなく、クラシックで言う所のボカリーズみたいなスキャット*1が、素晴らしい。
ユーモア溢れるトークで会場も盛り上げたり、素晴らしいエンターテナーでした。
そして、このライブでピアノを担当していたのは、ずーっとSaraさんと音楽活動を共にしているJoshNelsonで、彼のピアノも凄く楽しみにしていました。
彼のピアノは、CDで聴いた印象は、綺麗な音色で、とても優しい演奏 だったのですが、Jazzピアニストはライブになると化ける事が多いので、果たしてどんな感じになるのか?と思っていたら、、、CDの印象と同じ、というか、それがそのまま強調されて、綺麗で優しさが溢れる演奏でした。
音の粒がコロコロしている感じで、、、なんだろう、流れるような というよりも、やっぱりコロコロでした。
調べた訳では無いので、違うかもしれませんが、バックグラウンドはクラッシックの人なのかな?と言う印象を持つような、綺麗な指使いでした。(丁度私の席から運指が良く見えました)
どっちかと言うと、私はガンガン攻める演奏の方が好きなのですが、彼のピアノは凄く好きです。
彼のソロCDに興味が出てきました。
ライブやってないか、ちょっと調べてみましょう。
本当に素晴らしいライブが終わり、私はまたいつものようにミュージシャンに会いに向かいました。
Saraさんは既にバーの方でお話し中。
その奥を見ると、1人でドリンクを飲みながら一息入れているJoshNelson氏を発見。
緊張しながら話しかけると、とてもご機嫌で対応してくれました。
日本人?と訊かれたので、そうだ と答えると、日本には何度か行ったことがある様で、そんな話をしていました。
Saraさんは日本でもライブをしているので、その時に一緒に行っていたのかな?
昨年リリースされたSaraさんのアルバムは、JoshNelsonと連名になっていたので、そのCDにサインを頂きました。
演奏と全く同じ、むちゃくちゃ感じが良く、どう見ても優しいんだろうな と思える方でした。
そのあと、Saraさんが一人になっていたのを見つけて、もうえらい緊張しながら話掛けました。
去年のDavid Benoitとのコンサートも聴きに行ったよ!でもSaraさんのソロのライブを凄く楽しみにしてた! というようなことを言うと、それは嬉しそうにしてくれました。
そこから、彼女とDavid Benoitの音楽について、あーだこーだと話をしたのですが、Jazzボーカリストと一緒にフュージョン界の大御所について話をするって、我ながら「自分だれやねん」 と笑いそうになってしまいました。
やっぱり彼女も 日本人? と訊いてきて、同じように 日本には何度も行ったの!日本大好き!!と、これまたナイスなコメント。
「ちょっとだけ日本語話せるの。」 と言った後で出てきたのは、日本語でのあいさつ。
それから、
「あとね、えーとなんだっけ。あ、そうだ 『お手洗いはどこですか?』」
おー、凄い。
「まだあるのよ、えーーと、、、『私は、高いところは苦手です』」
なんとまたえらいピンポイントで覚えたなぁ と爆笑してしまいました。
とっても素敵なSaraさんでした。
二人にサインしてもらった昨年秋ごろにリリースされたアルバム、Dream in the Blue。
(Saraさんは私の名前を書いて(写真は修整しました)、その下に Arigato! と書いてくれました。)
全編、ボーカルとピアノだけのこのCD、購入して最初に聴いたとき、最初の音を聴いて一番に思ったのは「音が良い!」という事でした。
かなり良い音で録音されていると思います。
一曲目はTheBeatlesのBlackbirdのカバー。
イントロはピアノから始まって、そこにSaraさんのスキャットが乗っかっていくのですが、げ! と思うくらい臨場感があり、ほんとにそこで歌っているようです。
なんか、こんな風に いい音だなぁ と思うCDは久しぶりだったので、ワクワクニヤニヤしてしまいました。
そして、Saraさんの歌が、どえらくグレードアップしているのに、またビックリ。
このアルバムの前作Blossom&Beeは、かなり話題になったCDで、David Benoit曰く、Jazzミュージシャンの間でも話題になっていたらしく、歌唱力の高さには定評があるSaraさん。
それが、今回のアルバムでは表現力の幅が遥かに広がっていて、元々素晴らしいボーカリストだったのに、そこから更に、これ程のレベルアップをしてくるとは、、、どれだけストイックに鍛錬していたんだろう と唖然としてしまいます。
上のBlossom&Beeも好きなCDなので、かなり聴き込んでいるのですが、新譜を聴いてしまうと、ちょっと物足りなく感じてしまうほど、Dream in the Blueはすばらしいアルバムだと思います。
ライブでも、彼女の歌への入り込み様が凄く、歌というよりもほんとに誰かに話しかけているの?と思うくらい、自然に感情が歌となって出てきている という感じでした。
そして。
このCDは音が良い というのが第一印象だと書きましたが、録音が良い というのとは別に、ピアノの音がとても好みでした。
ピアノ、結構好きなので、ピアノ絡みのCDを時々聴いています。
ピアノの音としては、このアルバムの音は今まで聴いた中でもかなり好きな音色。
もしかしたら一番好きな音かも。
中低音の音がバインバインしていて、長い弦叩いてます という感じがたまらんです。
かといって、低音効かせてまっせー という感じでもなく、そして高音はコロコロと、ほんとに良い塩梅です。(ただ、曲によって微妙にこの感じは変わりました)
2曲目の「O Pato」でその特徴が凄く出ていて、この曲はボーカルよりもピアノの方に完全に耳を持っていかれました。
勿論、JoshNelsonの演奏がその特徴を増幅させているのは間違いないと思います。
とにかく音の歯切れが良い。
これは繊細なペダルワークから生まれる切れの良さなのかな?
と、すぐ近くにプロが居るので、良くわかっていないのに、あんまり知ったようなことを書くと後から突っ込まれるのでこの辺でやめておこう。
おそらく、ピアノはアレンジも彼がしていると思うのですが、なかなか独特の雰囲気があります。
本来メジャー(長調)な曲なのに、イントロからずっとマイナー(しかもちょっと怪しげな雰囲気)で当てていって、途中メジャーに変わったかと思ったら、すぐまたマイナーに戻る というアレンジがカッコよかったり(Mood Indigo)、ライブの時に分かったのですが、立ち上がってピアノの中に手を突っ込んで、弦を直接弾いてピチカートみたいな事をしてみたり。
このCDを聴いて、JoshNelsonのピアノの音がとても気に入っていたので、ライブで彼の演奏を見るのも凄く楽しみだったのです。
静かなボーカル+ピアノのデュオ。
このアルバムはかなりおすすめです。
さて、この日、現地で買ってきたものもあります。
ライブの中で、この当日、その場で、Dream in the Blue のレコードが発売 という事が発表されました。(レコードは英語では Vinyl Record で、一般には Vinylと言います)
CDの音がとても良いのは分かっていたので、アナログだと、更に良い音で聴けるのか?という期待と、恐らくそんなに沢山プレスしないと思うので、折角だから記念に という思いもあり、購入することにしました。
SaraさんやJoshとお話をした後、入り口横の物販を見ても売っている気配がありません。
カウンターにいた人に「レコード販売するってMCで言ってたんだけど、、」と訊くと、「Saraが持っているから、直接彼女から買って」という返答でした。
そこで、再びバーの方に戻り、Saraさんに
「レコード買いに行ったら、Saraさんが持ってるって言われたんだけど」と言うと
「え?持ってるけど、買ってくれるの?」
「うん、一枚ちょうだい」
「楽屋に置いてあるから、持ってくるわ」
商売っ気が無いSaraさんです。
楽屋に戻って持ってきてくれて、無事にレコード購入。
でまたジャケットにサインしてもらいました。
JoshNelsonのとこにも再度もらいに行くと、「えー、CD持ってたのに、Vinylも買ってくれたの!ありがとう!楽しんでね!!」とまたまたご機嫌な対応をしてくれました。
彼も良い人です。
時間の関係で、収録曲は少なくなるのは予想していたのですが、曲順もCDとは全然違います。
昨年のコンサートでアルバム発売の告知をした時にDavid Benoitのピアノで歌った、Bonnie Raittの名曲 I can't make you love meはレコードにも収録されていました。
ライブの数日後、このレコードはAmazonでも購入できたのですが、今はもう購入できないみたいです。
やはりすぐにSoldOutになったのかな?
あの時買っておいて良かった。
最初から最後まで、大満足のライブでした。
単独のライブの予定は暫く無いようですが、またはやくステージに立ってほしいです。
うーん、短めにまとめようと思ったのに、音楽の事はどうしても上手くまとめられなくて、長くなってしまいます。
ここまでお付き合いくださってありがとうございました。
さて、この次に行く予定のコンサートまではちょっと間が開いて、間に何も入らなければ次は9月。
野外コンサートです。
行って来たら、またアップすると思うので、これに懲りずにまたお付き合いください。
*1:アニメのサントラでの歴史的な名曲、宇宙戦艦ヤマトの「無限に広がる大宇宙」で川島和子さんの歌もスキャットとされているので、スキャットと言って良いのだと思います。余談ですが、数十年前に作曲の宮川泰氏がTVのインタビューを受けていた時に、さらっとピアノでこの曲を弾かれたのですが、コード進行がカッコよすぎてビビりました。