模型じかけのオレンジ

模型制作記を中心に、趣味の工作関連、車、オートバイ、その他色々についてロサンゼルスの生活事情と合わせて綴っています。

*当ブログではアフィリエイト広告、Google AdSenseを利用しています

カタナのリア・ブレーキ トルクロッド・ブラケットの製図

 こんばんは。

 

 今回もカタナのトルクロッド・ブラケットに関する内容です。

 CAD/CAM関連としては今日で終わりなのですが、最後が一番長くなってしまいました。

 しかも、自分でも呆れる様な、がっかりなどんでん返しが起こるので、長々と読んで頂くのも申し訳ないなぁ という内容になってしまっています。

 興味の無い方はスルーしてください。

 

 友人のR君にCADの使い方を教えてもらうことになり、週一で初歩の初歩から習い始めました。

 一回目のクラスは、基本的な図形の描き方を教えてもらったら「じゃ、少しでも慣れる為に、好きなものを描いてください」と放置され、あーだこーだとデザインを開始します。

 で、描き上げたデザインが、、、

 

 こちらです。

 

 

f:id:mata1:20160408164052j:plain

(笑 

 なんじゃこりゃ、という声が聞こえてきそうですが、膨大な時間をかけて、本人真剣に描いた最初のイメージです。

 無駄に3Dなので、ぐりぐり動かせます。

 浮き輪を持って「ぃやっほぅ!!」と海に向かうロボットをイメージしました。

 

 初日はそんなでしたが、2回目からはR先生が出した課題に取り組むという内容に変わり、お題に真剣に取り組みます。

 彼は、CADのソフトの使い方云々よりも、一番大事で大変なのは計測だ と何度も言っていたのですが、実際に作業をしてみると意味が分かりました。

 PC上でパーツのデザインをするのですが、結局入力する寸法が間違っていたら、そのまま出力されてしまうので、ボルトの穴の位置関係や各辺の長さ等々、作りたいものをできる限り正確に採寸しないといけません。

 最初に出された課題というのは、実際にあるパーツをノギス片手に採寸しまくって、3Dイメージ化する という事でした。

 そのパーツをPC上に構築していく過程で、使い方、効率の上げ方等を教えてもらいました。

 そんな感じで、何度かクラスを受けて、いよいよ実際に使うパーツのデザインをしましょう という事になりました。

 ここでも、デザインする上で重要なのが寸法になるのですが、実車の取り付け部等を採寸して、これから作るパーツの寸法を出していく という方法は、かなり難しそうだったので、まずは木の板を使い、必要な位置関係だけを記録したプロトタイプを作りました。

 実際に木片を切り出して、ボルトの穴を開け、トルクロッドをあてがい位置を出したプロトタイプが出来たら、それを採寸してPCに入力して図面を作成しました。

 それが、こちら。

 

f:id:mata1:20160408164122j:plain

 一応、少しでも強度が上がるかと思い、角は全部Rを取ってあります。

 これで完成? という感じですが、最終的なパーツはもうちょっと肉抜きの穴が開いたり、切り取られる部分が増える事になりますが、ファイルとしてはこれで終わりです。

 なぜ最終形態になっていないかというと、ミリングで制作する場合の料金体制が関係します。

 ミリングで立体を作る場合、作りたいパーツを削り出せる大きさの材料(今回はアルミです)を購入します。

 それからその材料をドンドン削っていくのですが、削る量が多ければ多いほど時間がかかるので、料金が加算されます。

 業者にもよるみたいですが、ミリングマシンの切削する刃を交換する回数も料金が加算されるところもあると聞きました。

 という事は、CAMで正確に削り出してほしい所(ボルト穴の位置や、オフセットした当たり面等)以外の、比較的自由に切ったり穴を開けたりする作業は、自分でやった方がパーツの削り出し料金が抑えられるのです。

 という事で、ファイルが完成したので、あとはこれを業者にメールで送って作業を依頼すれば、PC上でデザインされたパーツが、アルミになって帰ってきます。

 早速一件の業者にファイルをメールしてみました。

 すると、残念ながらその業者は小さいパーツを専門に削り出しているらしく、私のパーツはでか過ぎて出力できない という風に言われてしまいました。

 じゃ、他の業者を探そう としていたのですが、実は金属を使った3Dの出力方法の新しい展開が身近になって来ていました。

 レーザー・シンタリングです。

 3Dプリンタというのは、樹脂を溶かして積層していく物ばかりだったので、金属で出力したい場合はミリングに頼っていたのが、金属の粉をレーザーで焼結(?)してプリントすると言う3Dプリンタみたいなのが出てきたのです。

 これにより、アルミ、チタン、ステンレスでも3Dプリント出来るようになりました。

 ↓こんなのです。

www.youtube.com

 

 これを使えば、ブラケットもステンレスで作る事が出来るので、アルミで作るよりも強度を上げて、コンパクトに作る事が出来ます。

 しかも、ミリングは削れば削るほど料金が加算されますが、シンタリングは無い所から盛り上げて作るので、出来るだけ最終形態に近くした方が安く上がります。

 さて、どうするかなぁ とR君とも色々相談しました。

 どっちにするか、色々考えた結果。

 どうなったかというと、、、。

 

 気が変わって、カタナのリアブレーキ・キャリパーは上に固定することにしました。(笑

 「えーーーーっ!」と言われそうですが、ここまで引っ張っておいて、結局図面は出力していません。

 なんとなく、ノーマルっぽく見える上に固定の方がいいかなぁ と気が変わってしまたので、自分でも呆れるのですが しょうがないです。

 

 でも、後々また気が変わる可能性がかなり高いので、今回のブラケットはそのうち立体化されると思います。

 せっかく自分で書いたので、手に取って見てみたいですし、どんな仕上がりになるのかも興味あります。

 

 という事で、カタナのリアブレーキは、上で固定で!!

  実際に出力されたパーツを期待していらっしゃった方、すみません!!

 ほんとに、自分でもビックリです。

 

 結局、最終的に今回のプロジェクトではCAD/CAMのお世話にはならなかったのですが、こういったデジタルなものづくりはドンドン生活に近づいてきています。

 どちらかと言うと、CAMの方が生活に入ってくるんじゃないかな と思う今日この頃です。

 3Dプリンタは家庭用の安価なものが各種発売されています。

 Amazonでは既に$300ちょっとで購入可能ですし、今年の10月には$300を切るものが発売されます。

 先日私はガレージのドア・オープナーを修理しました。

mata1.hatenablog.com

 もしも3Dプリンタがもっと普及してきたとしたら、このときに交換したギアなんかは、メーカーのサポートページに行けば3Dのファイルをダウンロードできるようになっていて、家庭で3Dプリントすればパーツが届くのを待たずに修理できるようになるかも知れません。

 少し前は、パソコンやカメラの取扱説明書はメーカーのサイトからPDFをダウンロード なんて思わなかったのですから、パーツがダウンロード もそろそろ じゃないでしょうか。

 そうなると、物流の概念も変わるかも知れませんね。

 

 何となく収まりが悪いですが、これでCADを使ってのブラケット製作プロジェクトはおしまいです。

 ここまで長々と読んでくださってありがとうございました。

 

 次回のカタナ関連の更新は、通常運行になると思います。

 実は、上に固定するにあたり、こちらも自分がビックリする展開になったりしてます。